AH staff blog
アンビエントホームとお客様との家づくり日記をお届けします。
2020.04.18
こんにちは、専務の藤本です。
今日は、パッシブデザインを進める上での目標について、お話してみたいと思います。
(少々長くなりますので何回かに分けてお伝えします)
パッシブデザインは、「高い質の室内環境」と「省エネルギーの実現」を目指します。
ですので、その2つの項目それぞれに、目標値を定める指標が必要となります。
野池先生は、その指標を下記とされています。
●室内環境 ・・・ 室温
●省エネルギー・・・ 年間暖冷房不可
それぞれの内容を、具体的に見ていきましょう。
●室内環境
室内の目標値を探るために、「温熱的快適性」「健康性」についてお話します。
『温熱的快適性から考える目標室温』
温熱的快適性とは、体温の変化によって感じる温冷感を指します。
簡単に言えば「暑い、寒い、ちょうどいい」というような感じです。
その感覚を決める要素には、下記のようなものがあります。
この中で建物のあり方に大きく影響するのが、
「室温(室内空気温度)」「放射温度」「気流(風速)」です。
この3つの中で最も基本的な要素になるのが「室温」で、一定の範囲に収めようとすることが大切です。
ただし1年中室温を一定にするのは不合理であるため、
ある程度は着衣の調節力を想定しながら目標値を決めるのが妥当です。
パッシブデザインは、
「建物のありかたによって着衣量の変化を妥当な範囲に収めようとする設計」
という言い方もできます。
具体的な目標値としては差し詰め、
「冬:20℃くらい」「夏:27℃くらい」と考えるのがよいと思います。
次に「放射温度」とは、体の周囲にある床、壁、天井、窓、家具などの表面温度のことです。
体と表面温度の差によって「放射」という形で熱移動が生じて体温が変化します。
建物の断熱性が高いほど室温に近づき、断熱性が低いほど室温から遠ざかります。
そして「気流(風速)」ですが、これは皆さんも想像が容易かと思います。
体に風が当たると熱が奪われ、体温が下がります。
夏は有利に働くので風を取り込み、冬は逆なので風を遮ることが必要です。
以上のように、快適性を決める要素は沢山あることがお分かりいただけると思います。
次回は、『健康性から考える目標室温』についてお伝えいたします。
2020.4.18
y.fujimoto
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