AH staff blog
アンビエントホームとお客様との家づくり日記をお届けします。
2020.03.28
こんにちは、専務の藤本です。
今日は、パッシブデザインの定義について、お話したいと思います。
「パッシブデザイン」とは何でしょうか?
野池先生のお言葉をお借りしていうと、
「建物の在り方に工夫して、建物の周りにある自然エネルギー(太陽・風・地熱)を最大限に活用・調整できるようにし、高い質の室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする、建築設計の考え方とその実際的手法。」
です。
少々長いですね(;'∀')
この文章をワンフレーズずつご説明してみたいと思います。
『建物の在り方に工夫して』・・・
建物における敷地上の配置、性能、形状、窓の大きさや配置、窓廻りに設ける部材、プランニング(間取り)などに工夫を凝らすという意味です。
ここで大切なことは、パッシブデザインは「建物に付随する機械設備(太陽光発電等)をどうするか?」ではなく
「建物の在り方そのものをどうするか?」を考える手法ということです。
『建物の周りにある自然エネルギー(太陽・風・地熱)を』・・・
あらゆる建物の周りに存在する自然エネルギーで、太陽から届く光や熱、排熱や清涼感を与えてくれる風、地球内部の熱エネルギーである地熱を指します。
『最大限に活用・調整できるようにし』・・・
自然エネルギーを単に活用するだけではなく、必要ない時(真夏の太陽熱等)は遮ったり逃がしたりできるように、活用も調整も両方できるようにするということです。
『高い質の室内環境を実現させながら』・・・
暖冷房設備や照明設備を使うのではなく、建物のしつらえや窓の開閉などによって、自然エネルギーの出入りをうまくコントロールすることで、目指したい室内環境を作り出そうということです。
『省エネルギーに寄与しようとする』・・・
建物の在り方を工夫すれば、機械設備にできるだけ頼らずに(つまり電気や化石燃料に頼らずに)気持ちよく過ごせる家となり、そのぶん使用するエネルギーも減り、省エネルギーにつながるということです。
『建築設計の考え方とその実際的手法』・・・
パッシブデザインは、まず「建築設計の思想」という位置づけとしてとらえられ、また、その思想を実現させるための実際的な手法という意味としても表現されます。
という内容が、パッシブデザインの定義とされています。
たくさんありますね(;'∀')
全て大事なのですが、まず最初に知っていただきたいのは、
パッシブデザインは「機械設備をどうするか考える手法」ではなく、「建物の在り方そのものを考えていく手法」という部分です。
建物がしっかりしていれば、できるだけ機械設備に頼らずに、快適な室内にすることができます。
それを知っていただけたらとても嬉しいです。
そして、この手法に暮らし方の術を加えていただくと、『小さなエネルギーで豊かに暮らせる社会の実現』に近づいていけるようになります。
(暮らし方の術は後々お話できればと思っています)
高度経済成長期は、便利さや機能を追求し、モノがたくさん増えてていく時代だっと思います。
ですが今は、合理的で賢い暮らしをしたいと思う人が増えてくる時代になりました。
そのような価値観の変化にも、パッシブデザインはマッチするのではないでしょうか。
次回は、パッシブデザインを進める上での目標について、お話していきたいと思います。
2020.3.28
y.fujimoto
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