AH staff blog
アンビエントホームとお客様との家づくり日記をお届けします。
2025.10.31
高知県の梼原町に行ってきました(2日目)
2日目は「脱炭素先行地域」として
梼原町の取り組みについて話を伺いました。
脱炭素先行地域では、2030年度までに
民生部門(家庭・業務部門など)でのCO2排出実質ゼロを実現する計画が進められ、
再生可能エネルギー自給率は、100%を目指しています。
そして、環境対策への支援も非常に手厚い!
太陽光発電設置には工事費の2分の1、
蓄電池は工事費の4分の1、
ペレットストーブは工事費の5分の4、
さらに複層ガラスにも補助制度が設けられています。
これほど充実している自治体は、
全国でもそう多くなく、うらやましい限りです。
ちなみに、太陽光発電は
すでに一般家庭の9戸に1戸の割合で導入されています。
町の公共施設に目を向けても、
雲の上の図書館、マルシェゆすはら、そして町役場など、
ほとんどの施設で導入されています。
このように町全体で脱炭素へと動いている地域でのため
森との向き合い方もまた特徴的です。
持ち主と境界がはっきりした森で
間伐や整備が適切に行われ、
伐採された木材は建築資材として再利用。
端材はペレット工場で
「ゆすはらペレット」となり
地元住民は安価に購入できる
ペレットストーブの燃料として販売されています。
さらに、その燃焼後の灰は
農地の土壌改良材として再利用され最後まで無駄なく循環
また、小水力発電も導入されており、
町内の小中一貫校や夜間の街路灯などに電力が供給
このように地域全体で再エネを暮らしに取り入れていますが、
一方で固定価格買取制度の期限切れや、送電線の空き容量不足により、
新たな再エネ設備の設置が難しいという課題もあるそうです。
それでも梼原町は歩みを止めず、
地域エネルギー公社を設立し、
木質バイオマス発電や太陽光・小水力発電の余剰電力を
施設に供給する仕組みを整えていくそう。
木質バイオマス発電では、排熱を地域施設へ供給する計画も進行中。
さらにペレット工場を増設し、
地域内の雇用創出や経済循環もあわせて進めていく方針です。
その後訪れた森林では、
チェーンソーで丸太伐採体験も行いました。
実際に木を切る音や香りを肌で感じ、
森林資源の尊さを改めて実感しました。
最後に訪れたのが、
四国カルスト高原に設置された風力発電所。
標高1300メートルの強風地帯を活かして、安定した発電を行っています。
この風力発電こそが、梼原町の環境政策の出発点だそうです。
しかし、どんなに環境が整っても、
地域の根本的な課題は、人口減少と高齢化
それでも町民の約9割が「この地域で暮らし続けたい」と!?
その思いが梼原町のこれからの原動力になりそうですね!!
将来的には木質バイオマス発電の増設や、公共施設の太陽光導入を進めています。
地域資源を活かしながら、自然と共生するまちづくりを進める梼原町。
持続可能な未来へと、着実に歩んでいました。
RECENT ENTRIES
ARCHIVES