AH staff blog
アンビエントホームとお客様との家づくり日記をお届けします。
2020.05.19
こんにちは、専務の藤本です。
本日も、パッシブデザインに出てくる重要語句のお話をします。
今回は「Q値」と「UA値」について。
簡単に言うと、2つとも建物の保温性能を表す数値です。
なぜ2つあるのかは後述します。
●「Q値」
Q値とは、どれくらい熱が逃げにくい建物かを表した数値(熱損失係数)です。
数値が小さいほど、建物から逃げていく熱の量が少なくなります。
「Q値が小さい建物=冷暖房効率がよく省エネ性能が高い建物」となります。
細かいところまではここでは触れませんが、参考に計算式をご紹介します。
屋根・外壁・窓・床(基礎)・換気(換気扇+漏気)から逃げる熱を合計し、延べ床面積で割ります。
Q値〔W/㎡K〕=内外温度差1Kあたりの5つの熱損失合計〔W/K〕/延床面積〔㎡〕
・外皮の熱損失〔W/K〕=熱貫流率〔W/㎡K〕×面積〔㎡〕
・換気による熱損失〔W/K〕=0.35〔Wh/㎥K〕×換気回数〔回/h〕×気積〔㎥〕
●UA値
UA値は「外皮平均熱貫流率」のことで、どれくらい熱が建物の外に逃げやすいのかを表す数値です。
Q値と同じように、数値が小さいほど省エネ性能が高い建物となります。
こちらも参考に計算式をご紹介します。
屋根・外壁・窓・床(基礎)から逃げる熱を合計し、外皮面積で割ります。
UA値〔W/㎡K〕=内外温度差1Kあたりの4つの熱損失合計〔W/K〕/外皮面積〔㎡〕
平成11年省エネ基準までは、建物全体の熱損失性能はQ値で表現されていましたが、
現在はQ値に代わってUA値が省エネルギー基準を達成しているかどうかの基準となりました。
Q値とUA値は計算式の基本的な部分は変わらないのですが、
Q値と違ってUA値は換気による熱量の損失まで考えなくてもよく、
延床面積ではなく外皮面積で割るため、計算式が簡単になっています。
パッシブデザインの概念ではQ値が使用されます。
弊社もQ値とUA値の両方を計算しております。
実際に冷暖房能力まで考えた断熱性能を検討する場合には、
換気による熱量の損失までカバーしているQ値を求めると良いと思います。
y.fujimoto
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